息子くんが、母と娘さんに言いました。
「今夜さ、花火があるんだよね。みんなで見に行こうよ!!」
えええー!!!花火見に行くのー??
冬の花火かぁ。
母は、寒いし深夜からは仕事だし・・・。
あまり乗り気ではありませんでした。
でも、息子くんと娘さんは、ノリノリで準備を始めました。
「さぁ、母さん行くよー。」と、玄関からずるずると引きずられ。
花火会場に近い道路で、親子で花火を見ることになりました!
寒いし、人は多いし・・・。
でも、子どもたちは元気に花火があがるのを待ちました。
ドドーン!!!ピカピカピカー!!!
冬の冷たくてシンと澄んだ空気を切り裂くように、花火があがりました。
うわぁー!!!
あんなに、めんどくさがっていた母でしたが、花火の美しさに一瞬で引き込まれました。
息子くんと娘さんも、大喜びで花火を見ていました。
そして、2人並んで、自分のスマホで写真を取り続けていました。
母は、そんな子どもたち2人を後ろから見ながら、ふとある光景を思い出しました。
それは、もう25年前のことです・・・。
旦那さんと母は、九州の花火大会に一緒に花火を見に出かけました。
夏の夕闇の中、母は浴衣を着て、隣には旦那さんがいました。
一緒に見上げた夜空には、大きく美しい花火があがっていました。
時は流れて・・・。
それから、25年の時が過ぎて・・・。
今は、目の前に母より背も高くなった子どもたちが2人、旦那さんのかわりに一緒に花火を見ているなんて・・・。
いやー!!何だか、ビックリだぜ!!!
温かい缶コーヒーを飲みながら、花火の音が響く中、叫んでしまった母でした。
家に帰り着いて、母は、旦那さんに電話しました。
旦那さんは、嬉しそうに言いました。
「そうそう!!行ったよねー。花火大会!!」
母が電話したときには、もうすでに、子どもたち2人から花火の画像が届いていた旦那さんでした。
一緒の思い出があって、昔話ができることに、ほっこりした気持ちになった母でした。