息子くん、病む (2) ~母、最終通告をする~

高校受験が終わった夕方、息子くんは、強い不安感に襲われて、泣いていました。

次の日の朝、少し起きた息子くんでしたが、その後は、ずっと布団にもぐって寝ていました。

いつまで寝るんだろう?母は、様子を見ることにしました。

息子くんは、部屋をもっていません。

いつもリビングで、寝起きしています。

だから、忙しく動いている母からすると、昼すぎまで寝ている息子くんは、とても邪魔に感じます。


昨日、高校受験だったし、夜は、外に出ていたから・・・。

もう少し、もう少しだけ起こさないであげよう。

母は、掃除しながら、様子を見ていました。

でも、夕方4時になっても、息子くんは起きませんでした。


母の我慢は限界に達しました。

お前、いい加減、何時まで寝てんだよ!!起きろー!!


起きた息子くんは、また泣き出しました。

不安なんだとつぶやきました。


おいおいおい。これ、いつまで続くの?本当に、メンドクサイんですけど!!

母は、4ヶ月あまり、耐えました。

高校受験までは、がんばりました。

でも、我慢の限界を迎えました。


お前のどこが、不安になるっていうんだよ!!

学校も行ってない、仕事だってしてない。嫌な事はしなくていいように、いろいろしてもらってきたんだろ?

いいか、心療内科に通えて、薬だってもらえてるし、好きな食べ物だって食べれてるんだよ。

家が、家庭不和なのか? 暮らせないほど貧乏で苦労してんのか?

お前ほど、幸せに生きていて、不安とか言ってんなら、これから先、社会に出ていくことなんて、絶対できないんだよ!!

高校だってな。絶対行けないだろ。受かっても、行くんじゃねー。どうせ、行けなくなるに決まってんだよ。


布団かぶって、泣いていて、何かいいことあるのかよ。戦えよ!!

外に行けば楽になるなら、ずっと行ってろ!!

いいか、お前に付き合って、15年間。母は、したいこともやらずに、ほとんど誰にもお前を預けずに、育ててきたんだよ。

戦えないような子育ては、してきてないからな。

不安と戦え!!


一週間だけ時間をやるよ。

いいか。最後の話だ。

お前が、戦えないんだったら、心療内科に入院してもらう。

これ以上、母が、お前にしてやれる事はない。社会に出れず、苦しむくらいなら、お前は、ちゃんとした施設で、不安を和らげてもらって、一生を送るほうが幸せだと思うからな。


決めるのは、お前だ。リビングにいられるとうっとおしいから、二階の布団にこもって、どれだけでも寝ればいい。


息子くんは、泣きながら、二階に上がって行きました。


母は、かけてみることにしました。

母の子育て人生をかけて、息子くんには、優しい同情は逆にマイナスにしかならないと信じて。

一人ひとり、立ち上がるための方法は違います。

母として、教育者として、息子くんの強さを信じることにしました。


これで、息子くんが不安と戦う決意をしないなら、母は、教育関係の仕事は、もう辞めようと思いました。

自分の子どもも元気に出来ないで、他の子どもたちに関わる事はできないと思いました。


器械体操に娘さんを連れて行って、ふと気づきました。

あれ?よく考えたら、あの息子くんが寝てるのって、旦那さんの部屋だよね・・・。

ええと、一週間息子くんが部屋に引きこもって泣きながら寝ていたら、旦那さんはどうするんだろう?

娘さんに、相談してみました。

娘さんは、一言いいました。

「ああ、パパは、気にしないよ。一緒に寝てるんじゃね。」


ああ、そうだねぇ、寝てるよねー。

母の落ち込みがわかるのか、娘さんが明るく話しかけてくれるのが、ありがたいなぁと思いました。


暗い気持ちで、器械体操から家に帰り、電気のついていない二階の窓を見上げながら、これからどうなるんだろうと辛くなった母でした。



~to be continued ~






by chie_tknr | 2018-01-29 08:02 | 過敏シリーズ | Comments(0)