植物好き息子くんと一緒におでかけ (3) ~アクアリウムバスへ行く~
2017年 09月 04日
いよいよ、待ちに待ったアクアリウムバスが、開場しました。
建物の階段に、長蛇の列が出来ていたので、中に入れるのか不安になっていた母ですが、入場してみて、会場の広さに驚きました。
そこには、広いワンフロアいっぱいに、様々なジャンルのお店が、小さなブースに開かれていました。
ああ!!もっと、早くに来て、入ればよかったかも!!
息子くんの好きな植物は、もう、売れてしまったかもしれない・・・。
母は、浅草まで来て、悲しく帰る息子くんの姿を、見たくないなぁと、思いました。
大勢の人たちが、それぞれの興味のあるブースを取り囲んでにぎわっています。
そんな中、人のすごく少ないブースが、何店かありました。
それが、息子くんが、目指して来た水草専門店でした!!
ああ、人気があるのは、小動物の店なのね・・・。
すごい事に、ふくろうの雛やフクロモモンガ、ハムスターや小鳥に、亀まで、様々な可愛い小動物がいました。
水草専門店にたどり着いた息子くんは、すごい集中力で、たくさんの水草を、一つずつ手にとって、見続けていました。
そして、お客さんの少ないお店のスタッフは、息子くんの熱心さがよっぽど嬉しかったのか、ニコニコして、話しかけだしました。
息子くんも、嬉しそうに、スタッフの人たちと、話し出しました。
専門の植物名すぎて、母には、聞き取れませんでした・・・。
そのブースは、岐阜県にあって、息子くんがいつもインターネットで植物を注文している店でした。
有名なスタッフが、そこにやってきました。
息子くんに、そのスタッフは言いました。
「君は、植物の中で、何が一番好きなの?」
息子くんが答えました。
「そうですね、僕としては、サトイモ科の植物が一番好きですね。」
スタッフが大喜びで言いました。
「おおー。そうなの?じゃあ、君も、変態だねー!!!」
そこのお店のスタッフ全員と、息子くんが、声を上げて、大笑いしていました。
少し離れた場所から見ていた母には、まるでスタッフの一員のように、息子くんが見えました。
求人募集と、水草専門店のブースに看板が出ていました。
『人と会話が出来る人を求む』という内容でした。
おおー!!!
母には、一筋の光が見えた気がしました。
やったー!!息子くん、就職先があるよ。良かったねー!!
これだけで、もう、アクアリウムバスに来たかいがあったと、母は、思いました。
そして、それからも息子くんは、植物のお店のブースで、じっくりと選び続けました。
子どもが、息子くんの横にやってきました。
そして、一言大きな声で言いました。
「このお店は、何? なーんだ、ただの緑の草じゃん。つまんねーの。」
あああ・・。そうだねぇ、その通りだねぇ。でも、このお兄ちゃん、草に命かけちゃってるんだよー。言わないでー!!
母は、心の中で、思わず、つぶやいてしまいました。
子どもって、正直だなぁと、しみじみ思いました。
息子くんは、好きな水草をたくさん買えて、大満足でした。
買い終わった後は、一目散に家に帰りました。
そして、一つ一つを大切に、植え替えて水槽へと入れました。
息子くんは、毎日、温度や湿度の管理、照明の時間を細かく気にしながら、水草を育てています。
元気に大きくなっていく植物たちを見て、母も癒されています。
息子くんの植物好きに、これからも付き合っていこうと思う母でした。