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昔話 Part2 ~息子くんの不登校~

 息子くんと娘さんがいなくて、ちょっと暇なので、昔話を書かせていただきますね。

 今回は、息子くんの不登校の話です。


 不登校で、悩んでいる家庭は、本当に大変ですよね。

 その立場にならないと解らない、孤独や絶望感があるんです。

 我が家も、先の見えない、どん底のような気持ちで過ごした事がありました。


 息子くん、幼い時から自閉的な傾向が強くありました。

 昔話でお伝えしたように、小学校に入って、一年生の時は、本当に大変でした。

 でも、健康なので、一日も休まず一年間小学校に通ったんです。

 そして、二年生で、不登校になりました。


 息子くんの一年生の様子は、可哀想でした。

 入学式で、泣いてパニックになり、遠足は一人で行けないので、親が役員をして付き添い。

 運動会は、一人で走れずに、先生に抱っこされてゴールし、

 避難訓練は、怖くてパニックになり、小学校のフェンスの隙間から逃走し、近所の人に、

 家まで連れて帰ってもらいました。


 毎日、教室まで送らないと登校できず、ずっと服のソデをくわえている状態。

 教室では、先生に隠れて、机の下で、折り紙を折り続けていました。


 幼い時から、自閉的な面を鍛えようと、厳しく育ててきた母も、

 さすがに、顔色も悪く、毎朝辛そうに学校にいく息子くんを見て、

 何とかしてあげたいと思いました。

 先生に話しても、元気だと言って、とりあってくれないので、

 自分で動くことにしました。


 市の教育相談室に、電話し面談。そこで、初めて、発達障がいという言葉を聞きました。

 紹介してもらった病院に、息子くんを連れて行くと、その場で、

 「ああ、アスペルガーだね。」と軽く診断されました。


 長い間の、どうして育てづらいんだろう?という謎が解けて、

 発達障がいだというショックもあったけれど、何よりも、ほっとした瞬間でした。

 息子くんを産んでからずっと、「あなたの子育てが悪いんじゃないの?」

 とよく周りから、言われていたんです。

 私のせいだけじゃなかったんだと、思いました。


 小学校に、診断結果を伝えてからは、発達障がいの本を片っ端から読んで、勉強しました。

 そして、一番驚いたことは、治らないということでした。

 あら?かなり、今まで厳しくしたのよ。ごめんね、治らないんだ。と、反省しました。

 発達障がいの特徴を知って、上手に付き合うことが大事と知りました。


 三学期に入り、音楽会の練習がはじまりました。

 息子くんには、聴覚過敏があり、うるさい音が苦手なので、

 絶対に、無理をさせないでほしいと、小学校には伝えました。


 日に日に、息子くんの様子が、おかしくなってきました。

 帰って、布団にもぐり、2時間も泣き続けるんです。

 先生に聞いても、がんばっていますよ。と言うばかり。
 
 

 心配になって、小学校に行ってみました。

 そこには、体育館で、音楽会の練習をする子どもたちがいました。

 子どもたちが、歌を歌ったり、楽器を演奏する中、

 補助の先生に抱えられ、大泣きで、ステージに上げられている息子くんがいました。


 驚いて、息子くんを抱きとめ、ステージから降ろしました。

 先生に、「無理させないでと言ったじゃないですか。どうしてですか?」

 と詰め寄ると、平然とした顔で、「頑張らせたほうが、息子くんのためですから。」

 と言い返されました。

 
 小学校への信頼は、そこで大きく崩れました。もっと早く、気づくべきでした。

 
 一年生の終業式とともに、家から出れない息子くんになりました。

 「怖くて、学校が見れない。四角い建物が、全部学校に見える」と言って、

 布団から起き上がれなくなってしまいました。



 


 

 

 







 
Commented by 春風 at 2013-02-15 11:10 x
やっとchieさんのブログ、さかのぼって読み切ることが出来ました^^
息子さんが大きな傷を負ったにもかかわらず、早い時期にフリースクールなどに通えるようになったのも、全面的にchieさんが息子さんを守ったからなんですね。
私の場合は自分が病んでしまって、娘を守ってやれず、かえって傷つけてばかりでした。
だから今でもどこにも通えないし、お風呂に入れなかったりするのかな。あの時はとても守るなんてどころじゃなかったんだよな~。自分を守るのが精一杯でした(T_T)
悔やんでも仕方ないけど、戻れるならあの頃に戻ってやり直したい気持ちでいっぱいです・・・。
by chie_tknr | 2012-12-30 12:43 | 昔話シリーズ | Comments(1)