小学校3年生の時から行きたがっていた、大好きな私立中学校に入学できた娘さんは、毎日、一人で元気に通うことができました。

朝6時に目を覚まし、準備をして、6時50分に家をでます。

10分間自転車をこいで、駅から電車に乗って25分。そして、10分歩いて中学校へとたどり着く、乗り換え時間などをあわせると、片道約1時間ほどかかる道のりです。

通勤通学ラッシュの真っ只中のため、うっかりすると自分の降りる駅で出れずに、先の駅から戻るということもあったそうです。

器械体操部は、4月中は、仮入部の為、自分でスケジュールを決めて、参加する事ができます。

娘さんは、無理のないように、一日おきに参加していました。

帰ってくるのは、夜8時です。

体力的にはキツそうでも、それでも楽しそうに学校に行く娘さんに、母は、ホッとしました。

このまま行けたらすごいんだけど・・・。

娘さんの学校生活で、小学校6年間は、波乱万丈でした。

うまく学校に行けたことなんて、ほとんどなかったんです。


そして、入学式から一週間後・・・。

事件は、起きました・・・。


娘さんが、教室の自分の席に座って、宿題をしていました。

そこに、同じクラスのバスケ部の女の子が一人、近づいてきていきなり言いました。

「貴様、教卓まで歩いていけ!!」


娘さんは、意味がわからないながら、素直に立ち上がり、教卓まで、歩いていきました。

そして、振り向いて言いました。

「おい、いきなり、人の事を貴様とか呼ぶんじゃねぇ!!オレには、名前があるんだよ。名札だってついているだろ。貴様とか言うんだったら、これからは、こっちだって、お前って呼ぶぞ!!」

娘さんは、見た目、大人しそうに見えるのだと思います。

だけど、だけど、我が家の娘さんは、恐ろしいくらい見た目とは違いすぎるくらいに強かった・・・。


「貴様」と娘さんに言ったバスケ部の女の子は、ものすごく驚いた顔をして、引き下がったそうです。

その日の夜、娘さんは、怒りマックスに、母にこの「貴様」事件を話しました。

母は、娘さんに言いました。

それは、体育会系ならではのリーダー争いじゃないかな?

クラスで、力を示したい女の子が、大人しそうな娘さんに絡むことによって、他の子どもたちに自分の強さを示したかったんじゃないかな?

だけど、相手を間違えてるよね。その子、言い返されてかなり恥をかいた感じになったんじゃないかな。

また何かあったら、話してね。

娘さんも、母に言って、少し気分もおさまったのか、わかったと言って、寝ていきました。


この事件が、大変な事になるとは、このときには、娘さんも母も、気づきませんでした・・・。


~to be continued~
# by chie_tknr | 2017-04-26 17:44 | 学校の事 | Comments(0)

昼からまた、母は、息子くんの様子を見に行きました。

それは、修学旅行の事前講習会が、体育館で行われると聞いたからです。

体育館は、発達障がいの聴覚過敏の特性がある子どもには、音が響いて辛い場所です。

でも、息子くんは、そこでも、みんなと一緒に椅子に背筋を伸ばして座り、大きな拍手やうるさい音の中でも、話を聞くことができていました。

母は、息子くんが、自分の子どもではないような不思議な気分になりながら、見に来ている事を知らせずに帰りました。

そして、夕方4時過ぎに、息子くんは家に帰ってきました。

次々に、いろんな話をしてくれました。

~息子くんの話です~

あのさ、授業はね、大丈夫ついていけると思うよ。先生たちの授業は、わかりやすいよね。

黒板も、しっかりノートにうつせたんだよ。書くと覚えるよね!!

でも、体育がやばかったんだよ。腕立て、腹筋。グランドを一周走った後に、タイムをとって、そのあと、直線コースを走ったんだけど、吐きそうになっちゃってさ、途中から見学させてもらったよ。

オレさ、明日から、体力をつけるために、友達をさそって、走ることにしたよ。

学校はさ、思ったより、きつくなかったよ。

でも、休み時間が短いよね。授業は、勉強する気がなかったら、本当に時間が長いから、その場にいるのが辛いだろうなと思ったよ。

休み時間に、本当は、他のクラスに入っちゃダメなんだけど、友達が何人も話しに来てくれたし、わからないことは、教えてくれるんだよね。

オレ、学校に行って、本当に、友達ってありがたいんだなって、気づいたよ。

学校、行けると思うよ。

とりあえず、まずは、一週間。休まずいく事を来週はがんばってみるね。



息子くんは、今日、勉強したノートを見せてくれたり、宿題やもらったプリントを、母に出してくれました。

そして、一言、こんな事を最後に言いました。

「オレ、最初から、掃除当番だったんだよね。してる子もいれば、サボってる子もいたんだけど、先生と一緒に、とにかく掃除をしっかりやってきたよ。」

母は、思いました。

ええと・・・。息子くん、不登校7年だったんだよねぇ。

ノートをしっかりとって、掃除をしっかりやってってさ。

おいおい、優等生かよ!!


家に帰って、ちょっと眠ってから、いつも通り、家のアルバイトをする息子くんに、母は驚きました。

このまま、どうやら、学校行けちゃうのかな?

もう、行っちゃうんだろうね・・・・。



予測不能の我が家の息子くん。とうとう公立中学校に復帰しました。

あまりの息子くんの普段と変わらない姿に、なかなか感動がわかない母でした。


本当に、これまで、応援し続けてくださった皆さん、ありがとうございました。

とうとう、我が家の子どもたち二人とも、長い不登校生活が終わりました。


さて、これから、学校で何をしていくのでしょうか?

もう、ここまできたら、どこまでも自分の行きたい道を突き進めばいいと、やっと思った母でした。
# by chie_tknr | 2017-04-14 22:25 | 学校の事 | Comments(2)

重いリュックを背負って、中学校まで歩く息子くんと母は、いつも通りでした。

二人とも、そんなに緊張するタイプではないと思います。

中学校の門を入り、下駄箱がわからずに迷いつつも、階段をのぼって、何とか3年生の教室がある廊下に辿りつきました。

そこには、廊下いっぱいに広がって、ワイワイ話をしている中学生がたくさんいました。

うわぁー。こんなにいっぱい子どもを見るのは、久しぶりだなぁ。と母は、のん気に思いました。

そして、その中を、どんどん構わず息子くんと母は、突き進んで行きました。

ザザザザザー・・・・。

人が、人が息子くんと母が近づくにつれて、廊下の両端によけていきます。

7年間の不登校の子どもと母が来た驚きは、強烈だったのかもしれません。

そして、小さな声が聞こえてきます。

「あれってさ、あれって、そうだよな。」

「そうだよ、オレ、遊びに家にいったことあるよ。とうとう来たよ。」

母は、かなり、子どもたちの驚く様子に、おもしろくなってきました。

うわぁー。アニメみたいだよ!!ちょっと、のぞいてから帰ってみよう!!

つい最近まであった母の学校へのトラウマが、完全に無くなった瞬間でした。

息子くんは、堂々とクラスの中に入って行きました。

そして、自分で、席を見つけ、静かに座りました。

周りの息子くんを見る目が・・・。めったに見ない野生動物を静かに見つめるようでした。

あれ?そういえば、息子くんの友達はいないのかな?

息子くんの新しいクラスには、幼馴染の友達は少なくて、2人くらいです。

でも、学年全体では、20人くらい友達がいるんじゃないかと思います。

息子くんは、ただ前を見て、じっと座っていました。

遠巻きに見る子どもたち・・・。

母も、ただ、廊下から、その姿を見つめました。

もう、そろそろ遅刻になりそうだという時間になって、バタバタ、ワイワイと声が聞こえてきました。

一人、また一人と、息子くんの友達が、急いでやってきます。

そして、母の姿を見たとたんに、ものすごい笑顔で近寄ってきました。

「おおおおー!!!やったぜ!!まじか。とうとう来たかー!!」

クラスには、違うクラスの子どもは、入ってはいけないというルールがあるために、一人また一人と息子くんの座っている姿を見つけては、喜んで自分のクラスに走っていきました。

そして、同じクラスの幼馴染たちも、息子くんを見るとすぐにそばに行って、笑顔で話しかけてくれていました。

息子くんも、友達と話はじめました。

これなら、大丈夫だね・・・。

友達のおかげで、息子くんは、寂しい思いをしなくてすむね。

本当に、ありがとうと、母は、心の中で子どもたちに感謝しながら、学校を後にしました。


7年もの長い間不登校だった息子くんは、いつも登校していたかのように落ち着いてクラスに入る事ができました。

帰る途中で、旦那さんに、母は、メールを送りました。

旦那さんからは、こんなメールがかえってきました。

「すごいねぇ。何だか、あっけなかったねぇ。」

うーん。たしかに・・・。


でも、息子くんを見た他の子供たちの反応はね、すごかったんだよと一人つぶやいた母でした。

いつもクラスのその席に座っていたかのように、自然に座っている息子くんの姿に、母は、まだ復帰できた実感がわきませんでした。
# by chie_tknr | 2017-04-14 21:58 | 学校の事 | Comments(0)

息子くんが中学校に復帰する朝は、我が家はバタバタしていました。

一週間前に私立中学校に入学したばかりの娘さんが、6時に起きます。

娘さんは、朝7時前には、学校に向けて家を出発するので準備をしました。

そして、いつもリビングのコタツで寝ている息子くんの近くに行って叫びました。

「オイ!!お前、今日から学校行くんだろ。起きろや。これから毎日、オレが学校に行く時に、お前を起こしてやるぜ!!」

「お前さ、本当に学校に行けんのか?起きれるのかよ?」

「オレは、学校に行くけどな!!」

勝ち誇ったように、言い捨てて、さっさと出かけていった娘さんでした。

息子くんの中学校復帰の朝の目覚めは、妹にさんざん絡まれて、起こされるところから始まりました。

隣のキッチンで、朝ごはんを食べている旦那さんが、顔色が悪くブツブツ言っています。

「どうしよう?どうしたらいいの?もうドキドキして、どうしたらいいかわからないよ・・・。」

娘さんを送り出した母は、今度は、旦那さんを仕事に送り出す準備にとりかかりました。

大丈夫だよ。今日から学校に行くのはね、息子くんだからね。旦那さんは、何もしなくていいんだよ。

ムクッと起き上がった息子くんは、無表情で顔を洗い、歯を磨いていました。

コタツに座っている息子くんに、母は、声をかけました。

息子くん、中学校の制服を着るのに慣れてないでしょ。早めに着て、練習したほうがいいよ。

息子くんは、うなずいて、黙々と制服を着だしました。

制服は、ブレザーです。ワイシャツのボタンをとめたり、ネクタイをつけることに、苦労していました。

そして、着終わったときに、旦那さんが、大きな声で言いました。

「そうだよ!息子くん、ひげをそって行かなきゃじゃない?」

コタツに座る息子くんのひげを、旦那さんがそってくれました。

そして、急に、旦那さんが、玄関へ走りました。

「僕は、もう、仕事に行くよ!!耐えられないよー!!!」

え?どうした旦那さん。まだ、仕事に行くには、早くない?

毎朝、旦那さんを仕事場の途中まで母は、送っていっています。走って、追いかけました。

「行けるのかな?中学校だよ。本当に、行けるのかな?」

旦那さんが、ものすごく不安になっているので、母は、ハッキリ言いました。

行けなかったら行けないでいいと思うよ。大丈夫、先は長いからね、大学くらいから一般には、行ければじゅうぶんだよね!!

旦那さんと別れて、家に帰る途中、旦那さんが遠くから叫びました。

「chieちゃん、たすけてー!!携帯を忘れたのー。」

母は、それから猛ダッシュで家に走って帰り、また旦那さんを励ましながら送っていきました。


ふぅー。やっと、二人出かけたよ・・・。

今までは、二人でよかったのに、あと一人、学校に行かせなきゃならないんだよね。

しかも、今日は、初日だから、付き添いで朝と昼に様子を見ないといけないのよね。

本当に、本当に・・・。

中学校復帰、めんどくせー!!

いそいで家に帰る母は、正直もうすでに疲れてきていました。

そして、気づきました。

あれ?今日、学校復帰する息子くんの事は、手伝ってないよねー!!

すっかり、いろいろな周りの事に気をとられて、今日の主役を忘れていた母でした。

家に帰ると、準備を終えた息子くんが、一言いいました。

「母さん、時間だね。そろそろ行こうか。」

普段と変わらない息子くんが、目の前に立っていました。
# by chie_tknr | 2017-04-14 21:24 | 学校の事 | Comments(0)

発達障がいアスペルガー症候群と小学校1年生で診断を受けた息子くんは、何度も学校でパニックを起こし、ひどく心を病んでしまいました。

寝たきりになり、家から出る事もできなくなって、小学校2年生から不登校になりました。

それから、7年間・・・。


少しずつ元気になる中に、学校の一部屋を借りて過ごさせてもらったり、たまに不登校の適応教室に行ったり、せいさフリースクールに行ったりしつつも、ほとんどの時間を自宅で過ごしてきた息子くんです。


そんな息子くんが、本人の意思で、中学校3年生から、公立中学校復帰を決めました。

特別な配慮も支援も求めず、一般の子どもと同じ状況で復帰する事になりました。


発達障がいの特性を持ち、長い不登校生活をしてきた子どもが、本当に学校に行く事はできるのでしょうか?


義務教育、そして、公立中学校という厳しい環境の中での復帰は、できるのでしょうか?

いよいよ息子くんの中学校復帰の挑戦が、幕を開けました。
# by chie_tknr | 2017-04-14 20:46 | 学校の事 | Comments(0)